今回は、~相続した家を売却する際の費用~というタイトルで【相続】に関してご紹介させていただきます。
たとえば、ご家族が住んでおられた家やマンションを相続した場合、選択肢は
①空家のまま放置する
②賃貸にする
③売却する
④相続人(自分)が住む
など様々な選択肢がありますよね。
ただ、不動産をいきなり相続しても皆さまご自身の生活がありますから、同居の場合を除きわざわざ引越して住むという選択肢は考えにくいですね。
キレイな状態であれば「賃貸に出す」という選択肢もあるかもしれませんが、支出の管理・賃貸リスク等を考えるとやはり相続した家は売却して現金化してしまう方が大多数を占めています。
相続した不動産を売却する際に忘れてはいけないのは、不動産を売却するときにも税金がかかるということ。
そこで、相続した不動産の売却にはどんな税金がかかるのか、節税できる特例はあるのかをご紹介します。
相続した不動産の売却にかかる費用
印紙税
売買契約書に印紙を貼って納める国税
不動産を売るときには「売買契約書」が必要になります。
この売買契約にかかる税金が印紙税で、印紙を契約書に貼ることで納税します。
税額は記載された金額に応じて印紙税が定められています。
契約金額 |
印紙税額 |
50万円を超え100万円以下 |
1千円 |
100万円を超え500万円以下 |
2千円 |
500万円を超え1千万円以下 |
1万円 |
1千万円を超え5千万円以下 |
2万円 |
5千万円を超え1億円以下 |
6万円 |
国税庁:印紙税の一覧表
譲渡所得課税
売却益に課税され、所得税や住民税がかかる
不動産を売却して利益(売却益)が出ると、
「譲渡所得課税」の課税対象になり、所得税と住民税がかかります。
譲渡取得とは、
譲渡所得税額の算出
上記で算出した譲渡所得(売却益)に税率をかけて算出します。
そしてこの税率は、不動産の所有期間によって変わってきます。
所有期間
|
税率 |
5年以下
(短期譲渡取得)
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39% (所得税30%、住民税9%) |
5年越
(長期譲渡取得)
|
20% (所得税15%、住民税5%) |
※平成25年より復興特別所得税として所得税額の2.1%別途かかります。
税金を控除できる特例
税金が控除される2つの特例をご紹介します。
取得費加算の特例
相続したマンションの売却では、取得費が分からなかったり、減価償却によって取得費が少額になってしまったりして、譲渡所得税の負担が大きいケースも少なくありません。
そのような人のために、「相続財産を譲渡した場合の取得費の特例」(引用:国税庁)という特別控除があります。
相続財産を譲渡した場合の取得費の特例とは、
相続が発生してから3年10ヶ月が経過するまでにマンションを売却した場合に利用できる特例で、相続税額の一部を譲渡所得の取得費に加算できるという制度です。
取得費が多ければ多いほど譲渡所得は少なくなるため、税金を減らすことができます。
つまり支払った相続税のうち、マンションに対して支払った税金分を譲渡所得から控除できるということです。
特例を受けるための条件
・相続や遺贈により財産を取得した者であること。
・その財産を取得した人に相続税が課税されていること。
・ その財産を、相続開始のあった日の翌日から相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡していること。
3000万円の特別控除の特例
「3,000万円の特別控除の特例」は、所有期間の長短に関係なく譲渡所得から最高3,000万円を差し引くことができる制度です。
特例を受けるための条件は、
・相続が発生する直前まで被相続人が住んでいたこと
・相続が発生した日から3年目の12月31日までに売ること
・他の特例を受けていないこと
・売却代金が1億円以下であること
・売主と買主が、親子や夫婦など特別な関係でないこと